ヨシヨシ塾から考えたこと
全4回のヨシヨシ塾を通し、各人が考えたことを以下にまとめる。
No.1 相馬 亜紀(青森県青森市)
当園の今後の展望~人口減少に対応していくには…
○利用子どもの確保
①こども誰でも通園制度の活用
令和7年度に誰でも通園制度に利用できるような場所を確保し、令和8年度本格実施に向けて準備をする。誰でも通園制度を行うことで、地域の未就園児と施設との繋がりを持つ。
②子育てひろば(園内開放)の充実
地域の子育て支援となるように活動内容の充実を図り、未就園児の利用者を増やす。
○保育の質の向上
①公開保育の実施
職員の資質向上を図る。
近隣小学校との架け橋プログラムの一環として互いの教育を理解し合う。
②気になる子の対応について
定期的に児童発達支援施設の先生を講師にお招きし、職員が子どもへの統一した対応の仕方を学ぶ。職員が発達支援の理解を深められるようにする。
○多機能化
①療育支援
誰でも通園制度に確保した場所を子どもの減少に伴い、空き部屋を活用して療育支援を行う。発達支援施設の専門的な方々の協力をいただきながら療育支援していきたい。
②地域に拓かれた施設事業
発達の特性や経済的状況等により困難に直面している子どもへの支援を行える場の提供を行い、乳幼児期から就学後も切れ目のない支援を行う。
○まとめ
ヨシヨシ塾に参加し、ただ受け身でいるだけでなく、人材教育や施設整備を行い、新しい時代に対応出来るように備え、自園の地域での在り方を模索していくことが課題ということに気づいた。ICT化や連携推進法人などいろんな意見も今後の参考となった。
No.2 今野 眞洋(秋田県にかほ市象潟)
○ICT化の促進について
当園ではある程度ICT化が進んでいると思うが、日々進化している保育のICT製品の導入によって、現場職員の負担を更に減らす事ができるようになると思う。しかし、職員の年代によるICT活用の壁があると感じている。
例: 平成生まれはタブレット入力(フリック入力)に慣れている など
○人口減少に向かっていくということ
どの地域でも同じ現象がおきていく。その中で法人運営していくためには、収入を増やすor 維持していくしかない。今ある資産を投資して別事業を展開するのか、短期のこと(1年~3年)だけではなく中長期(5年〜15年)を真剣に考える人が、業界にどれほどいるのか。また、政界には同様の思いを抱えている人がどれほどいるのかが気になった。
○最後に
最終的に一つの会社を運営していくということには変わりないため、「ヒト・モノ・カネ」をどう活用するかに絞られると思う。制度に頼っている我々の業界は既に限界を迎えているところがいくつも存在し、その制度を変えるには膨大な議論と根拠が必要で時間がかかる。園の経営という事は、一つの会社のマネジメントと会社のブランディングに繋がっている。
残っていく為にどうするのか。現状の教育・保育メニューだけで、今の職員を雇うのは不可能になる時代がいずれ来る。その時に多様な事業展開ができれば生き残っていけると思う。
今回の参加に参加して、数年先を常に見据える経営者でありたいと考えた。
No.3 伊東 俊樹(新潟県長岡市)
No.4 菊地 渉(茨城県境町)
○思い
・『地域の豊かさのベースであり、ハブとなる場所』
※神奈川県厚木市にある社会福祉法人愛川舜寿会カミヤト凸凹保育園の取り組みがイメージに近い
・安定した運営をしていくための園児、職員の確保
・子どもの育ちの共有と相互理解及び実践(教育委員会と学校)
○考察
・境町の人口は約24,000人。今後は10年毎に2,000人程度減少していく見通しだが、令和10年頃までは転入によって一部地域で幼年人口が増加する見込みである。
・行政区毎のセンターではそれぞれ活動を行っているが、世代間の交流や園との交流は行っていない。
・県内の潜在保育者数は県の実施する無料紹介所で把握しているだけで6,000人超。子どもが減っていくことを考慮すると保育者数自体はかなり多い。境町では全施設で0、1歳の定員が充足しているが、3~5年後には定員を割る園が出ることが予想される。
・保幼小接続事業は継続しているが、小学校関係の行事等に変更はなく、スタートカリキュラムが反映されているかは不透明(情報交換不足)
・以上のことから、『地域の豊かさのベースであり、ハブとなる場所』を目指すためには、次のような課題があると考える。
①元来の機能(こども園)を強固なものにしていくための組織改革
②情報発信の強化及び効率化
③小学校以降との接続事業や公開保育を通した育ちの共有と相互理解の促進
④多機能化(地域拠点としてのスタートアップ)
○計画
課題に対し、現在取り組んでいることや今後取り組んでいきたいことは以下の通り
①・・・園長交代をきっかけに保育の流れを再構築中。クラス環境のゾーニングを中心に、失敗ありきで保育者へ一部の物品購入権限を移譲しながら、主体的な活動への理解を深めている。
②・・・地域住民はデジタルに慣れていない方も多いため、アナログな紙媒体を作成しているが、園関係者向けにはデジタル中心で受け手のレベルに応じた情報発信に取り組んでいる。保育内容に関しては、ICTを活用したドキュメンテーションのカジュアルな発信を続け、児童票をポートフォリオ化して卒園アルバムを兼ねるなど、重複作業を徹底的に削減する。その他紙面やWEBデザインの学習中であり、今後は生成AIを活用した業務効率化に取り組みたい。
③・・・町の保幼小接続事業とは別に公開保育を実施して今年で3年目となる。教育委員会や小学校関係の参加率は低いが、しつこく案内を出していく予定だ。その中で就学前の教育・保育は小学校教育の前倒しではないことを強く強く訴えていく。
④・・・子どもの居場所確保事業、コワーキングスペース、カフェ(寄り合い所)、センターを活用した地域との交流を検討している。
安定した運営のためには人口動態と地域ニーズの把握が必須なので引き続き情報収集に努めていく。
No.5 東ヶ崎 拓樹(茨城県茨城町)
自園では事務以外でほとんど手書き、手計算で行われてるものが多い。今後はICTの活用を少しずつ進めていきつつ、年配保育者も対応できるよう手書きと両方採用し、3~5年後には保育者全員が対応できるようにしていきたい。
No.6 仲田 臨(茨城県小美玉市)
AIを活用した業務効率化と保育の質の向上を目指す。
○ヨシヨシ塾での学び
・保育制度の構築と今後の情勢を学ぶことができた。
・吉田学氏:社会情勢と人口減少への影響
・義本博司氏:教育の目的の変化
○課題:10年後の法人の姿
茨城県小美玉市では子どもの人口が減少している。0~4歳の人口は2025年時点で1,343人だが10年後は1,194人となり、20年後はさらに減少(現在の7割)が予想される。
○計画
・①主体的に考える力を育む保育
主体的な学びを支える保育の実施と保育活動の見える化
・②AIを活用した業務効率化
ローカル環境でのAI活用(Dify、Ollama)、業務効率化により保育士が現場に集中できる環境を構築
・③地域のニーズに応えられる法人に
不登校児童や子育て世代に対応した設計、地域との協働で選ばれる園を目指す。
例:コワーキングスペースや相談窓口の併設
○期待される成果
・地域で信頼される園へと成長
・保育士の負担軽減と保育の質向上
・地域全体で子どもを育てる環境づくり
○まとめと今後の展望
・全職員での意識共有と具体的なアクションプランの策定
・地域との協働をさらに強化し、次のステップへ
No.7 青木 恵里佳(東京都荒川区)
No.8 田口 侑平(神奈川県横浜市)
今回、この特別研修で学ぶ中で、「地域」の中で保育園やこども園の存在について考える大きなきっかけになった。自分の中では、地域を巻き込んだり地域をどうこうしたりしていくにはまだまだ力不足であると思う。ため、まずは自分の施設の安定化を追求していく事に取り組んでいきたい。
当園は令和5年度に幼保連携型こども園に移行申請し、令和6年度より幼保連携型認定こども園として運営している。また、合わせて老朽改築事業による園舎建て替えを申請し採択され、この後、12月20日に入札を行う予定である。申請時点(令和6年1月頃)での費用感として全て込で6.5億程度の予定であったが最終的には8億を超えてくる見込みである。あれもつけたいこれもつけたいといった事をしたわけでなく、極限まで絞った上での価格であり、物価高騰や建築業界の需給バランスによる影響を大きく感じた。
補助金についても申請時よりは多少増加しているものの、物価上昇分には遠く及ばない。しかし、保育園で建て替えを行うのとこども園で建て替えを行うのでは、補助金そもそもの額が1億近く異なっている。こども園になる際や老朽改築事業の申請にあたっては、保育総合研究会の皆様の情報やご意見がとても参考になったので、今後も参加し様々な話をしたり学んだ上で使える制度を自分の園で活かせるようにしていきたい。
令和7年度中には新園舎への引っ越しを行い、現在の園舎の解体及び外構整備を行っていき、令和8年度からはローンの支払いが始まる。その為には、しっかりと収入を確保していかなくてはいけない。この1~2年で近隣の幼稚園の定員割れが想像以上に進んでおり、こども園への移行も増えてきた中で3歳児の取り合いが本格的に始まってくる。SNSやネットで情報を集める時代ではあるが、この2年間に新たに1号で入園(内定含む)した保護者のお話を聞くと「通園している保護者からの情報(口コミ)」が非常に多かった。なので、保育の質を維持・向上し「選ばれる園」であることが施設の安定に繋がると思うので、そこを確実なものにしていきたい。
そして、こども園を安定的に運営していきながら、オプションとして新たな事業に挑戦できる法人になるべく取り組んでいきたい。
No.9 勇 まり子(三重県鈴鹿市)
○10年後のビジョンを考えるきっかけから
・介護事業撤退後の空き室について
・株式会社の保育園がもらえないもの
・今後の運営形態について
○自社が永続していくために、リーダーになるにあたって
・自社の存在価値と未来的経済価値を考える
・組織をつくる上で大切にしたいこと
・『思いやり』『人』『未知の所に一歩をふみ出す意思』
・『ケアする人は自分をケアすることを忘れてはいけない』『人間であることを許す』
・今すぐに結果がわからないのが保育の世界
・組織内のインナーブランディングの大切さ
No.10 永田 郁弥(大阪府大東市)
○ヨシヨシ塾をきっかけに考えたこと
- 未来の人材不足(働き手不足)
- 10年後の想定
- 子どもが少なくなったら
- 自治体による違い
- 経営形態
○伝えること
ヨシヨシ塾を通して私が伝えることができるのは、やはりICTについてだ。
ICTは、未来の人材不足への対応や保育士及び保護者の手間の軽減、子どもたちが安全に過ごすための情報を得るなど、様々な選択肢がある中でも強力な一手となり得る。そこで、ICTを活用することでどんなことができるのかを思いつく範囲で紹介したい。
○ICTを活用することでできるようになること
・書類関連を、各園の個性に合わせて簡単にまとめることができるようになる。(ただし、基本的には買い切りでソフトを購入した場合のみ)
・新人や近所の地理に疎い方であっても、子どもたちの状態や天気などによって散歩コースを選択しやすくなる。例えば、散歩コースの交通量が多い時間帯や道幅のチェック、安全な散歩コースの下調べ、散歩コースの提案、日陰が多いコースや道幅が広いコースの検索 など
・子どもが急な体調不良や怪我をした時など、「今」行ける病院を検索することができるようになる。(ただし、病院側の許可は必要)
その他、知りたいこととそのデータさえあれば実現できることは思いのほか多い。具体的なイメージをプログラマーに伝えることができれば、自身が理想とするようなソフトを作成することができるかもしれない。
No.11 髙橋 珠希(兵庫県姫路市)
○10年後を見据えて
校区別5歳階級別将来推計人口の推移
2020年 | 2025年 | 2030年 | 2035年 | 2040年 | 2045年 | 2050年 | ||
校区 | 性別 | 0~4歳 | 0~4歳 | 0~4歳 | 0~4歳 | 0~4歳 | 0~4歳 | 0~4歳 |
姫路市 | 合計 | 20,738 | 17,961 | 17,497 | 17,242 | 16,389 | 15,134 | 13,727 |
減少率 | 13.39% | 15.63% | 16.86% | 20.97% | 27.02% | 33.81% | ||
広峰 | 合計 | 331 | 267 | 261 | 257 | 224 | 224 | 207 |
減少率 | 19.34% | 21.15% | 22.36% | 26.28% | 32.33% | 37.46% | ||
高浜 | 合計 | 679 | 589 | 577 | 584 | 567 | 537 | 500 |
減少率 | 13.25% | 15.05% | 13.99% | 16.49% | 20.91% | 26.36% |
○取り組むべき課題
・保育の質を向上し続けるために → 公開保育
・SNSを使って情報発信
・質の高い保育実践ができる人材確保と人材育成
・近隣の小学校との交流
・バス送迎の継続
No.12 舘 潤也(広島県福山市)
○自園の増築計画について
・現在の園舎(2011年度事業で施設整備)
・定員変更の推移:80名 → 90名(2013.4)→ 96名(2015.4)→ 120名(2020.4)
⇒ 2025年度の施設整備事業として計画を提出中。
○人材確保・人材育成について
・2024年度より園の体制が変わっている。(園長や主任保育士の変更など)
・ベテランの職員が多く、また定年も近い職員もいるため、若い人材の中から将来核になるような人材の育成をどのようにしていくか。
・今後ますます人材確保が困難になることが想定される。(保育に限った話ではないが…)
○こども誰でも通園制度について
・2025年度より、試行的事業として実施を予定している。
○地域の施設との交流について
・近隣にある高齢者施設・学校(大学も含む)との交流を実施していきたい。
No.13 吉里 由子(徳島県徳島市)
○思い
徳島市という人口減少地域で、子どもの育ちを保証し、子育て家庭を支援するために、安全で質の高い保育を行う。また、その保育内容の「見える化」を図ることで、地域になくてはならない園として地域の人の理解と支持に繋げていきたい。
○考察
この一年、自園の生き残りを考えどのように進んでいくのかを考えてきた。その間に児童発達支援をオープンさせた。さて次はと考えた時に、原点である「もとしろ認定こども園」とは、どんな園だろう・魅力的な保育をしているのだろうかと振り返ってみた。現状としてすべての職員が同じように保育を行うことが出来ていないため、保育力にばらつきがある。当園の保育の方向性(理念)を可視化し、職員全体が同じように理解をするために、理念を基にした研修や公開保育、保育方針や願いを可視化し、同じように理解をしていくことで安全で質の高い保育へとつなげていきたい。
保育内容の「見える化」として、ドキュメンテーションやインスタグラムなどで発信することで、地域の人の理解へと繋がっていってほしい。
<計画>
No.14 髙月 善徳(大分県日出町)
【テーマ】「人材育成」
○課題
・保育士不足
養成校での実習で理想と現実を見る。実習先の実習生への対応。
↳卒業後の進路は半数が他職種へ就職。新人職員の入職は2年に1人くらい。
・定着率
自園の状況・・・40歳位の中堅からベテラン職員が、病気や第二の人生を歩むために離職。昨年と今年で7人。 組織内の新陳代謝は必要と捉えるが、数年後には今のベテラン職員が定年退職していくと中間層がおらず、専門性を十分に発揮出来ないのではないかと危機感を感じる。
潜在保育士の発掘から就職に繋げるように努力するが、ブランクがあり、お世辞にも専門性のある保育にはならない。→それでも来てもらえるだけでもいい。
○考察
・保育士のなり手不足に関しては、未だに保育士の仕事内容に昔のイメージを持っている人が多い。(低賃金・重労働)→ブラックな職場環境
・学生から聞いた話では、親から保育士になるのを反対された。内容は上記の通り。
・定着率では、園内の風通しの良し悪しに再度心がける。
・園長として職場環境には気を遣っているが、現場で働く職員の思いと微妙にかけ離れている場合がある。(良かれと思いしたことが、結構裏目にでる)
・辞めたら困るので新人に気を遣うが、先輩職員からは贔屓していると捉えられがち。
○計画
・保育士のなり手を増やすには、養成校をはじめ、中学・高校へ魅力を発信していく。(PR活動)
・法人理念に基づく人材育成。10年後の自分はどのようにこの園で成長しているのだろう、という未来像を描ける組織作り。
・去るのも追わずで、気持ちよく送り出す。また帰ってきやすい関係を築く。
○まとめ
園は人と人との繋がりにより機能してくる。その繋がりを強固なものにしてはじめて、地域の中の社会資源として必要視され、また、選ばれる園となる。
No.15 松永 和孝(熊本県熊本市)
ヨシヨシ塾がスタートした当初は、30年後も自園が現状のまま維持されていると考えていた。時代に合わせて多機能化を目指し、子どもの数が減れば定員を減らす。また、機会があれば何らかの収益事業を行ってみたいなど、自分や施設の将来を安易に考えていた。
しかし、ヨシヨシ塾を通じて子どもの減少が確実である現実を受け入れるとともに、10年後の自分がどうありたいか、また地域の中で自園が果たすべき役割や意義を真剣に構想するきっかけを得ることができた。
○施設について
・田迎こども園コンセプトブックの作成
職員が同じ目標をもって業務に取り組めるように理解と共感を深めることを目的とした事業。園の歴史や保育メソッドを記載したもの。ただし細部に焦点を当てるのではなく、今後時代が変わっても大切にしていきたい想いや方向性を抽象的に文章にした。
・園舎の大規模修繕と増改築
ヨシヨシ塾に参加する前は、20年後の建て替えを計画していた。しかし近い将来、定員充足率を100%維持することが難しくなり、収入減や物価高騰の影響で建て替えが困難になる可能性を感じるようになった。現在、設計士と打ち合わせを進めており、令和7年度の着工を予定している。
・職員にもChatGPTをはじめとする生成AIを活用できるスキルを身につけてもらえる環境を整備したい。とは言え、まずは私自身がこれらの技術を習得しないければ、今後入職してくる職員とのコミュニケーションに支障が出るのではないかと不安を感じる。
・職員の休暇を増やしたい。フランス人のようにvacationが取れるように労働環境を整えたい。毎年は難しいかもしれないが、少なくとも3年に一度くらいは実現したい。仕事よりもプライベートを優先できる環境を作りたい。
○地域について
・地域に開た園を目指し、レッジョエミリアを参考に園自体がピアッツァの機能を持てるように取り組んでいきたい。
・田迎こども園内だけではない町のピアッツァを作り、新たなコミュニティ空間を創りたい。
・地域の思いが一つになり発展してきた田迎・平成の意思を継承し、町に新たな色を出していきたい。
No.16 萩嶺 淳昭(熊本県水俣市)
【テーマ】「過疎地域における社会福祉事業継続のために」
○思い
日本のどこの地域においても、質の高い教育・保育の提供を行い、子どもを中心として安心して生活できる環境の提供を行う(当福祉会がお寺とともに存続する方法を考える)
○考察(学さんからのヒント)
・地域に保育は残るが、園は残るとは限らない
・人口統計ほど正確性が高い統計はない
質の高い教育・保育の提供は、優秀な保育士の獲得や育成、職員配置人数、環境整備、そのための費用捻出が必要。夢の達成には、それを実現するお金が必要となる。実際に地元水俣市の人口統計と就学前の人口推移を計算してみると図の通り。
○職員について
僻地のこども園は、3年後のR10年で一学級平均2名、合計14名、最低基準1名、公定価格上の配置職員数5名。一年変形労働時間の採用で85日の休日+5日有給休暇取得義務のため、計90日の休みとなる。日祝日は年間72日なので、一人当たり18日は平日及び土曜日休む。
293日開所のうち、18日×5名=90日は最低4名で保育を回すことになると、3日連続早番、遅番の出勤になる。そのような職場に、職員が継続雇用を望むのか、採用ができるのか、子育て世帯の職員を雇用できるのか甚だ疑問である。
収入の増加を目指すためには、公定価格の増額、補助事業追加、園児数の増加、他事業収入の増加が考えられるが、前三つは他園との差別化にならない。市町村の財源に起因し、子どもの数が全体的に減っているため、策を講じても厳しいのが見えている。他事業に関しては、現在の職員の雇用を守るという面においては意味があるものの、現在の園運営の中で大きなコストとなっている人件費をカバーするだけの事業だと、園運営は長続きしない。その他、事業の収益を園の事業に繰り入れ、保育を提供し続ける環境と事業を計画していきたい。
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